リコログ
舞台・芸術

2021年9月22日(水)夜 東京 アナと雪の女王

雪の画像

座席

1階5列12番

キャスト

エルサ 岡本瑞恵
アナ 三平果歩
クリストフ 神永東吾
オラフ 小林英恵
ハンス 杉浦洸
ウェーゼルトン 山本道
スヴェン 沢樹陽聖
パビー 渡久山慶
バルダ 松本菜緒
オーケン 阿部よしつぐ
アグナル王 田川雄理
イドゥーナ妃 大岡紋
ヤングエルサ 佐々木奏音
ヤングアナ 桑原広佳
男性アンサンブル 小田春樹、黒田大夢、小林優、中田雄太、土井夏以、山口優太
女性アンサンブル 榊山玲子、小林由希子、塩住珠希、志賀ひかる、海沼千明、岡本直子、大森真理
オーケストラ指揮 榛葉光治

感想

リニューアル後の春劇場での初めての観劇でした。
今回はサイドブロックの前方席だったのですが、最前方は傾斜がゆるく、前の人の頭でかなり見づらかったです。
舞台中央が一番見づらく、役者が舞台の奥行きの真ん中くらいまで下がると一切姿が見えませんでした。
センターブロック寄りの通路側なら、通路越しに舞台を見ることになるので大丈夫かもしれません。

今回何といっても驚いたのは生オケだったことです。
一切前情報を入れずに行ったので、開演前に楽器の音出しをしているのを聞いても「四季は録音のはずだし、オーケストラの音出し風の変わったBGMだな」と思っていました。
全体としてオリジナル曲が多く、特にエルサの「モンスター」がかっこよかったです。

エルサ:
違和感なく良かったです。
キャラクター造形として、映画よりも芯の強さが増した気がします。
「モンスターである自分は死ぬしかないけど、その前にやるべきことを果たさない限り死ぬわけにはいかない!」という姿勢は新鮮でした。

アナ:
全体的にはとってもキュートで笑顔のかわいい明るいアナでした。
for the first time in foreverからlove is an open doorのあたりだけ、ちょっと苦手に感じました。
出会いに胸をときめかせる恋に恋する少女というより、男漁りにがっついている肉食系のおばさんというような感じで…。
男を意識しないシーンは全然そんなことなかったし、クリストフともいいコンビだったので、まだ見ぬプリンスやハンスに対するのぼせがちな愛(?)と、エルサやクリストフに対する等身大で心からの真実の愛の違いなのかも、とも思います。

クリストフ:
アニメよりもシュッとしたリアリスト。
アニメの温和で朴訥とした山奥の青年という雰囲気はなく、もっと冴えた商売人という感じでした。
アナを大切に思う気持ちの描写が丁寧で、映画よりも引き込まれました。

オラフ:
めちゃくちゃかわいかったです!表情豊かで驚きました。

ハンス:
漠然と王子様っぽい感じで、本人が見えてこない感じが薄っぺらくて上手いなーと思いました。
アナへの裏切りのシーンはいやみったらしくというよりも普通に憐れみという感じ。
あくまでも悪意からの行いではなく、虐げられた13番目の王子としてのただの生存戦略なんだなと思わされました。

ウェーゼルトン:
体格といい動きといい、よくぞこんなにぴったりの役者さんがいたものだなと思いました。
カーテンコールの時の立ち方がめちゃくちゃかっこよかった…。

スヴェン:
映画よりもリアル路線のトナカイで、個人的にはちょっと怖かったです。
中の人はかなりしんどそう…。

脚本、演出など:
エルサの氷のお城は最高に美しかったです。
エルサのドレスも素晴らしく輝いて、床や客席にも反射光が届くほどでした。
冷気を演出するスモークは徐々に前方席を包んでいって、雪と氷に覆われたアレンデールに入り込んだようで臨場感がありました。

また、 ノートルダムの鐘などもそうなのですが、私は「見立て」の演出が大好物なので、クライマックスのアナがエルサを助けに行くシーンで白い衣装のアンサンブルが表現する吹雪を相手にもがき進むのが最高でした。

戸惑ったのは、全体的にちょっと目のやり場に困るシーンが多かったことです。
アナの下着姿とか、ヒュッゲとか。
とはいえこれらは単に意図された演出だから構わないのですが、それ以上に戴冠式のダンスシーンなど大きく膨らんだドレスの女性が踊るシーンで、下にある客席から見上げるためにパニエやらドロワーズやらガンガン見えてしまうのが気恥ずかしかったです。

面白かったのは隠れびとがクリストフの呼び声に応えて出てくるシーン。
舞台奥から様子をうかがう隠れびとたちが、古いほうの映画版キャッツに登場するグレートランパスキャットのようでした。

コロナ禍独特の演出としては、オーケンのセリフがありました。
「こんな時期にも関わらず、勇気を出して自宅の玄関から出てきてくれてありがとう!」
「みんなの笑顔が見られてとっても嬉しい!半分隠れてるけど」っていうセリフは今ならではだと思いました。
コロナが落ち着いたらどんなセリフになるのかな。
歌い出すと途端にかっこよくて、ギャップがすごかったです。