座席
1階K列36番
キャスト
セルバンテス/ドン・キホーテ 松本白鸚
アルドンザ 松たか子
サンチョ 駒田一
アントニア 実咲凜音
神父 石鍋多加史
家政婦 荒井洸子
床屋 祖父江進
ペドロ 大塚雅夫
マリア 白木美貴子
カラスコ 吉原光夫
牢名主 上條恒彦
隊長 鈴木良一
ギター弾き ICCOU
ムーア人の娘 酒井比那
フェルミナ 北川理恵
美濃良、山本真裕、市川裕之、山本直輝、さけもとあきら、斉藤義洋、宮川智之、下道純一、楢原じゅんや、乾 直樹、中野祐幸、小林遼介、堀部佑介、砂塚健斗、ルーク・ヨウスケ・クロフォード、郡司瑞輝、森内翔大、尾関晃輔、岩永俊鈴、木満梨奈
感想
松本白鴎によるファイナル公演と銘打たれていた本公演ですが、残念ながら公演関係者に新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出たとのことで公演中止が相次ぎ、全25公演中7公演が上演・千秋楽含む18公演が中止となってしまいました。
私はチケットを予約していた公演は幸運にも上演されましたが、ずっと昔からラ・マンチャの男を応援してきて今回のファイナル公演に特別な思いを持っていた方も多かろうと思うと、どうにかしてもう一度公演ができないだろうかと考えてしまいます。
劇場:
実は日生劇場での観劇は今回が初めてでした。
かなり古い劇場のようで、そのせいか座席の間隔がびっくりするくらい狭い!
クロークに荷物をすべて預けて手ぶらで観劇する前提の劇場だと思いました。
(現在は感染症対策のためクロークは休止中)
劇場の内装はガウディ建築を思わせるような有機的なデザインで、ある意味ラ・マンチャの男を上演するのにぴったり。
(厳密にいうとガウディ建築で有名なバルセロナはカタルーニャ州、ラ・マンチャの男はその名の通りカスティーリャ=ラ・マンチャ州が舞台なので、エリアは異なるのですが…)
K列は舞台全体がよく見え、役者の表情も肉眼で大体わかり、バランスの良い席だと思いました。
セルバンテス/ドン・キホーテ:
セルバンテスが化粧をしてアロンソ・キハーナになるシーンが好きでした。
ノートルダムの鐘で青年が砂袋を背負った上に服を着てカジモドに扮するみたいな。
割とおじいちゃん気に自然に発話をするので、正直セリフが聞き取れなかった部分も…。
ドン・キホーテ=老郷士というイメージがあったので、79歳の松本白鴎が演じてしっくりきます。
初演時にはまだ20代だったわけで、この役を当時どう演じていたのかとても気になります。
アルドンザ:
アルファベットで書けばAldonza、素直にスペイン語読みすればアルドン「サ」ですが、どうしてアルドン「ザ」なんだろう。
個人的に、彼女が舞台上で一番光っていたように思いました。
アルドンザの気の強さを感じさせる鋭い歌声が良かったです。
サンチョ:
この舞台の癒しにして救い。
アロンソ・キハーナのどこがそんなに好きなの?とは思いますが、サンチョがいてくれるだけで場面がパッと明るくなりほっとします。
脚本、演出など:
アルドンザしかりウエストサイドストーリーのアニタしかり、女性が乱暴される描写が私はすごく苦手で受け付けず…。
ドゥルシネアとしてドン・キホーテからは尊重されたアルドンザですが、その後は人間として普通に尊重される環境に身を移せているといいなと思います。
全体的に女性にあまり人権がない世界観なのですが、たぶんこれは原作に沿っているのでしょう。