座席
1階14列7番
キャスト
カジモド 寺元健一郎
フロロー 野中万寿夫
エスメラルダ 岡村美南
フィーバス 神永東吾
クロパン 吉賀陶馬ワイス
男性アンサンブル 野村数幾、中田雄太、村山剛、川原信弘、中橋耕平、平山信二、手島章平、大木智貴
女性アンサンブル 岩城あさみ、久居史子、吉田絢香、坂井菜穂
男性クワイヤ 柳隆幸、篠田裕介、奥田直樹、山下泰明、千葉晃樹、真田司、和田ひでき、橋元聖地
女性クワイヤ 宇津木泰子、高居洋子、平木萌子、潮﨑亜耶、北野有希依、川目晴香、玉置ともか、吉田瑛美
感想
19年の京都以来、実に3年弱ぶりのノートルダムの鐘でした。
1、2を争うくらいに好きなミュージカル作品なので、久しぶりの感動もひとしおで1曲目からすでに半泣きだったり…(笑)
何度も見た作品だから今更泣くこともないだろうと思っていましたが、やっぱり舞台の持つ力でしょうか、終盤は号泣・放心状態でした。
カジモド:
寺元さんのカジモドは今回初めて見たような気がします。
普通の青年が舞台上で怪物に化けるシーンは作中でもかなり好きな場面ですが、寺元さんの変身もコントラストが効いていて最高でした。
序盤の歌声は洗練されすぎていなくて、カジモドの年相応な青年らしさが出ていて好きでした。
でも物語が進むにつれて歌声がどんどん洗練されていって、序盤の歌声はあえて素朴に作っていたことがはっきりわかり、力のある役者さんなんだなと思わされました。
「石になろう」の「心閉ざして」部分の最高音が一瞬うまく当たらなかったかと思ったのですが、直後体から絞り出すような叫び声で当てていて、「こんな歌い方もあるのか!」と衝撃でした。
フロロー:
野中さんのフロローは2、3回目かと思いますが、いかにも聖職者然としているフロローです。
エスメラルダの魅力に運命を狂わされただけであって、その出会いさえなければ、カジモドへの当たりの強さなど多少のゆがみは見せつつも一生を清く正しく終えられた人のような気がします。
それにしたって「地獄の炎」の「エスメラルダが自分のものになるならOK」っていうのは聖職者としてどういう処理なのかなと思うのですが…。
エスメラルダ:
劇団四季で一番好きな役者さん、岡村美南さん。
キャッツのジェリーロラム役の暖かで愛情深い演技で一目惚れしました。
エスメラルダ役ももちろんハマっていて、今回また岡村さんのエスメラルダを見ることができて幸せでした。
実力は当然のことながら、美しさ、華やかさ、ヒロインたる説得力…獄中で「どうしてよりによって私なの」とフロローに問いかけるシーンがありますが、本当に気の毒だけどあなたほどの人ではそりゃ仕方ないよとすら思わされます。
フィーバス:
神永さんのフィーバスも初めて見たような気がします。
神永さんは個人的にジーザスのイメージが強いのですが、いままでにないタイプの新鮮なフィーバスでした。
ちょっと捨て鉢な感じというのか、戦場で苦しみすぎて、もうヤケになっている印象でした。
「パリの人々よこんなことを許すのか」のシーンは英雄然としていて、個人的にこのシーンを一番かっこよく演じたフィーバスだったと思いました。
クロパン:
私の中ではクロパン=阿部さんのイメージだったので、以前吉賀さんのクロパンを見たときには馴染みきれなかったのですが、今回久しぶりに見て完全にクロパンでした…!
「クロパン・トルイユフーです、みなさん!」のセリフがすごく好きで、毎回拍手したくなります。
そのほか、好きだったシーンを箇条書きでいくつか…。
・もう石ではいられなかったカジモドが手すりを乗り越えるシーン、この作品の中で一番好きかもしれません。緊迫感、カジモドの決意、そびえる手すりの表現、最後にカジモドを送り出す様子…最高です。
・聖アフロディージアスの曲も大好きで、「命を落とすと知っていたうえで、私だったら正しいと思うことをできるだろうか…」といつも内省させられます。